【完全ガイド】NFTの税金はどうなる?日本の最新課税ルールと確定申告7ステップ

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NFT取引で利益を得た場合、原則として税金がかかり、確定申告が必要になる点が何よりも大切です。

この記事では、NFTの税金に関する基本的な仕組みから、日本における最新の課税ルール、所得の種類と計算方法、そして具体的な確定申告の7ステップに至るまで、分かりやすく解説します。

目次

NFT取引と税金の基本事項

NFT(非代替性トークン)取引で得た利益には、原則として税金がかかり、確定申告が必要になる点が重要です。

NFTとは具体的にどのようなもので、なぜ税金が発生するのかといったNFTの概要から、日本における最新の課税ルールのポイント、そして税務を正しく理解するための信頼できる情報源について、順を追って解説します。

これらの基本事項を把握することで、NFT取引における税務対応の第一歩を踏み出せます。

NFTとは何か、その概要

NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、ブロックチェーンという技術を活用して、デジタルデータに対して唯一無二の識別情報を記録し、その所有権を証明可能にするものです。

この技術により、デジタルアート、ゲーム内のアイテム、音楽、トレーディングカードなど、従来は容易にコピーが可能だったデジタルコンテンツに、現実世界の絵画や彫刻のような一点物としての価値を持たせることが可能になりました。

例えば、デジタルアーティストBeeple氏のNFTアート作品「Everydays: The First 5000 Days」は、2021年3月にクリスティーズのオークションで約6930万ドル(当時のレートで約75億円)という高額で落札され、NFTの可能性を世界に示しました。

このように、NFTはデジタル資産に新たな価値と流動性をもたらす技術として、アート、エンターテインメント、不動産など、様々な分野での活用が期待されています。

NFT取引で税金が発生する理由

NFT取引で利益を得た場合に税金が発生するのは、日本の所得税法において、NFTを通じて得た利益も課税対象となる「所得」と見なされるためです。

具体的には、NFTを売却して購入時よりも高い価格で売れた場合、その差額(売却価格から取得費用と必要経費を差し引いた利益)に対して所得税や住民税が課税されることになります。

これは、株式投資で得た売却益や、不動産を売却して得た利益に対して税金がかかるのと同じ考え方に基づいています。

例えば、10万円で購入したNFTアートが市場で人気となり、50万円で売却できた場合、単純計算で40万円の利益が発生し、この部分が課税対象となる可能性があります。

NFTは比較的新しい資産クラスであるため、税務上の取り扱いがまだ完全に確立されていない部分もありますが、利益が出れば原則として課税されるという点を理解しておくことが、適切な税務対応の第一歩となります。

NFT税務の主な所得区分

NFT取引によって得られた利益は、その取引の態様や規模、継続性などに応じて、主に「雑所得」「事業所得」「譲渡所得」のいずれかの所得区分に分類されることが一般的です。

個人の副業としてNFTの売買を行い利益を得た場合、その利益は多くの場合「雑所得」として扱われ、給与所得など他の所得と合算して税額を計算する総合課税の対象となります。

一方、NFT取引を反復継続的に、かつ営利を目的として相当規模で行っている場合は「事業所得」に該当する可能性があり、この場合は青色申告による特別控除や損失の繰り越しといったメリットを受けられることがあります。

また、極めて稀なケースですが、保有期間が長い特定のNFTなどが「譲渡所得」として扱われることも考えられます。

どの所得区分に該当するかによって、税金の計算方法や適用される控除、損失が出た場合の取り扱いなどが大きく異なるため、ご自身の取引状況を正確に把握し、適切な所得区分で申告することが非常に重要です。

日本における最新課税ルールのポイント

日本におけるNFTの課税ルールは、国税庁から公表される情報や関連法令の解釈によって徐々に明確化されつつありますが、依然として発展途上であり、今後の動向を注視する必要がある点が最も重要なポイントです。

2023年1月13日、国税庁は「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」を公表し、NFTの売買、制作(ミント)、無償取得(エアドロップやギブアウェイ)、ゲーム報酬などで得た利益が所得税の課税対象となることを改めて明確にしました。

このFAQでは、NFTの売買取引に係る所得は原則として「雑所得」または「事業所得」に区分されること、NFTの取得価額の計算方法、暗号資産で対価を受け取った場合の評価方法など、納税者が実務上判断に迷いやすい点について具体的な考え方が示されています。

しかし、NFTの技術や利用方法は日々進化しており、全てのケースを網羅できているわけではありません。

したがって、最新の法令や国税庁の発表、専門家の見解などを定期的に確認し、自身の取引に当てはめて慎重に判断することが求められます。

NFT税務理解のための情報源

NFTの税務に関する情報を得る際には、その情報が正確かつ最新であるかを確認し、信頼性の高い情報源を参照することが極めて重要です。

誤った情報や古い情報に基づいて税務処理を行うと、後日、税務署から指摘を受け、追徴課税やペナルティが発生するリスクがあります。

最も信頼できる情報源は、日本の税務行政を所管する国税庁の公式ウェブサイトです。

特に、「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」や、暗号資産全般に関する税務情報(「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)」など)は、NFTの税務を理解する上で基本となる資料であり、必ず目を通しておくべきです。

その他、税理士法人や会計事務所が運営するウェブサイトやブログ記事、信頼できる金融メディアやNFT専門メディア(例:CoinDesk JAPAN、CoinPost、幻冬舎 GOLD ONLINEなど)の解説記事も参考になります。

ただし、これらの情報源を利用する際も、誰が発信している情報か(税理士など専門家の監修があるか)、いつの情報か(最終更新日など)、情報の根拠は何か、といった点を注意深く確認する必要があります。

不明な点や判断に迷う場合は、自己判断せずに、NFTや暗号資産の税務に詳しい税理士などの専門家に相談することを強く推奨します。

NFT取引における所得の種類と具体的な税金計算

NFT取引で利益が出た場合、その利益に対して税金が課されます。

その際、NFT取引で得た利益がどの所得区分に該当するのかを正しく理解し、適切に税金を計算することが不可欠です。

この章では、NFT取引における主な所得区分である雑所得や事業所得、稀なケースとしての譲渡所得について解説します。

さらに、NFTの購入時、日本円や暗号資産での売却時、自身でのミント(新規発行)、エアドロップ(無償配布)、ステーキング報酬といった具体的なシーン別の税金計算方法、必要経費として認められる範囲、そして日本国内における消費税の現在の見解についても詳しく見ていきましょう。

これらの知識を身につけることで、ご自身のNFT取引の状況に応じた正しい税務処理を行い、安心して確定申告を進めることができるようになります。

主な所得区分、雑所得の扱い

NFT取引における所得の分類で最も一般的なのが「雑所得」です。

雑所得とは、所得税法上の他の9種類の所得(利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得)のいずれにも当てはまらない所得を指します。

会社員や公務員の方が副業としてNFT取引を行い利益を得た場合、その利益は多くの場合、この雑所得に区分されます

例えば、趣味で収集していたNFTアートを売却して年間で30万円の利益が出た、といったケースがこれに該当します。

雑所得は総合課税の対象となるため、給与所得など他の所得と合算した総所得金額に対して所得税率が適用されます。

NFT取引から生じた所得が雑所得に該当する場合、同じ雑所得の区分内で生じた他の所得(例えば、副業の原稿料やアフィリエイト収入など)と損益を通算して申告します。

事業所得に該当するケースと条件

NFT取引から得られる所得が「事業所得」に該当するケースもあります。

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業などの事業を営んでいる場合に、その事業から生じる所得のことです。

NFT取引が、継続的かつ反復的に行われ、営利を主目的とし、かつ、その活動が社会通念上事業と認められる規模や状況であれば、事業所得として申告できる可能性があります。

例えば、NFTアーティストとして生計を立てており、作品の制作・販売を主な収入源としている場合や、NFTトレーダーとして相当の時間を費やし、事業として継続的に売買を行っている場合などが考えられます。

事業所得として認められると、青色申告を選択できれば最大65万円の青色申告特別控除が受けられたり、赤字が出た場合に他の所得と損益通算ができたり、損失を3年間繰り越せたりするメリットがあります。

ただし、事業所得として申告するためには、上記の判断基準を総合的に勘案し、税務署に事業として認められる客観的な証拠を整える必要があります。

譲渡所得となる可能性のある稀なケース

NFT取引の所得が「譲渡所得」として扱われる可能性も理論上は存在します。

譲渡所得とは、土地、建物、株式、ゴルフ会員権、美術品、骨董品などの資産を譲渡(売却)することによって生じる所得を指します。

NFTが、例えばデジタルアートとしての美術的価値が非常に高く、かつ長期間保有した後に売却されるような場合など、その性質や取引実態が美術品や骨董品の譲渡に近いと判断されれば、譲渡所得に該当する余地があります。

しかし、現状のNFT取引の多くは、暗号資産と同様に価値の変動による利益獲得を目的としたものが主流であり、譲渡所得と認定されるケースは極めて稀であると考えられています。

譲渡所得には、所有期間に応じて税率が変わるなどの特徴がありますが、NFTがこれに該当するかどうかは個別の事案ごとに慎重な判断が必要です。

不明な場合は税理士などの専門家に相談することを強く推奨します。

NFT購入時の税金の取り扱い

NFTを購入しただけでは、原則としてその時点では課税関係は生じません

これは、購入代金を日本円で支払った場合でも、イーサリアム(ETH)やビットコイン(BTC)といった暗号資産で支払った場合でも同様です。

例えば、OpenSeaのようなマーケットプレイスで、0.5ETHを使用してデジタルアートのNFTを購入したとしても、その購入行為自体が所得を生み出すわけではないため、税金は発生しません。

ただし、暗号資産でNFTを購入する際に、保有していた暗号資産の購入時の価格とNFT購入時の価格(時価)との間に差益が生じている場合は、その差益に対しては別途課税される点に注意が必要です。

※1 暗号資産を決済に使用したことによる損益は別途認識が必要です。

NFTを購入した際には、将来そのNFTを売却して利益を計算する際の「取得価額」となるため、購入日時、購入価格(日本円換算額)、取引手数料などの記録を正確に保管しておくことが非常に重要です。

NFTを日本円で売却した場合の利益計算

NFTを日本円で売却し、購入時よりも高い価格で売れた場合には、その差額(利益)に対して所得税が課税されます

利益の計算方法は比較的シンプルで、NFTの売却価格から、そのNFTの取得価額(購入代金やミント費用など)と、売却に際して支払った手数料などの必要経費を差し引いて算出します

例えば、以前に5万円で購入したNFTゲームのキャラクターを、マーケットプレイスで20万円で売却し、その際にプラットフォーム手数料として1万円を支払ったとします。

この場合の利益は、「売却価格20万円 – 取得価額5万円 – 必要経費1万円 = 14万円」となります。

この14万円が課税対象の所得です。

NFTを日本円で売却した場合は、取引履歴や銀行口座の入出金記録などから、売却価格、取得価額、必要経費を正確に把握し、正しく利益を計算することが求められます。

暗号資産でのNFT売却と日本円への換算

NFTをイーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などの暗号資産で売却した場合も、その売却によって利益が生じれば課税対象となります。

この際の利益計算は、売却時に受け取った暗号資産の数量と、その時点での当該暗号資産の時価(日本円換算額)を基に行います。

例えば、0.2ETHで購入したNFTを、1ETHで売却したとします。

売却時点での1ETHの価格が30万円だった場合、売却による収入は「1ETH × 30万円/ETH = 30万円」として計算されます。

ここから、NFTの取得価額(0.2ETHを購入時の日本円レートで換算した額)と売却手数料(これも同様に日本円換算)を差し引いたものが利益です。

さらに重要な点として、この売却で得た1ETHを後日日本円に交換する際、ETHの価格が売却時よりも上昇していれば、その差額がさらに課税対象となることに注意が必要です。

暗号資産でNFTを取引する場合は、取引の都度、使用した暗号資産の日本円換算レートを正確に記録し、損益計算を行う必要があります。

NFTを自らミント(新規発行)し売却した場合の税金

ミント(Mint)」とは、デジタルアートや音楽、ゲーム内アイテムなどのデジタルデータをブロックチェーン上に記録し、世界に一つだけの非代替性トークン(NFT)として新たに発行する行為を指します。

クリエイターやアーティストが自身でNFTをミントし、それをOpenSeaやMagic Edenなどのマーケットプレイスで売却して利益を得た場合、その利益は課税対象となります。

この場合の取得価額には、NFTをミントする際に支払ったガス代(ブロックチェーンネットワークの取引手数料)や、その他制作に直接かかった費用を含めることができます

例えば、ガス代として0.03ETH(その時のレートで約5,000円相当)を支払い、その他デザインツール利用料などで2,000円をかけてミントしたNFTが、5万円で売れたとします。

売却手数料が売却価格の2.5%(1,250円)だった場合、利益は「50,000円 – (5,000円 + 2,000円) – 1,250円 = 41,750円」となります。

自身でNFTを制作・発行して販売するクリエイターの方は、ミントにかかったガス代やその他の関連費用を証明できる記録(トランザクション履歴や領収書など)をしっかりと保管し、正確な利益計算に役立てることが重要です。

エアドロップ(無償配布)で得たNFTの税務処理

エアドロップ(Airdrop)」とは、特定のブロックチェーンプロジェクトやNFTコレクションの運営者が、プロモーションやコミュニティ形成を目的として、条件を満たしたウォレットアドレスに対してNFTや暗号資産を無償で配布するイベントのことです。

エアドロップによってNFTを無償で取得した場合、原則としてそのNFTを取得した時点での時価(市場価格)が所得として認識され、課税対象となります

もし取得時点で市場価格が存在しない、または算定が極めて困難なNFTの場合、その時点では課税されず、将来的にそのNFTを売却した際に売却価格全体が利益(取得価額0円として計算)となるケースもあります。

一般的には、取得時の時価を雑所得などとして計上し、売却時には「売却価格 - 取得時時価(これが取得価額となる)」で売却損益を計算します。

例えば、あるプロジェクトから時価2万円相当のNFTをエアドロップで受け取った場合、その時点で2万円の所得が発生し、後日そのNFTを5万円で売却すれば、差額の3万円が売却益として課税されます。

NFT取引の利益に関する確定申告7ステップ

NFT取引で利益を得た場合、その利益に対する税金を計算し、国に申告・納税する手続きである確定申告の正しい手順を理解することが極めて重要です。

これから説明する7つのステップ、すなわちステップ1: 確定申告が必要となる人の条件確認から始まり、ステップ2: 確定申告期間の確認ステップ3: 必要な取引記録や書類の準備ステップ4: 国税庁「確定申告書等作成コーナー」を利用した申告書作成ステップ5: e-Tax(電子申告・納税システム)の活用ステップ6: 計算した所得金額の申告書への正しい記入箇所の把握、そして最後にステップ7: 納税方法の選択と期限内の手続き完了までを一つずつ丁寧に進めることで、NFT取引に関する税務処理を適切に行うことができます。

このステップに沿って進めることで、NFTの確定申告をスムーズに、そして正確に完了させることが可能になります。

ステップ1: 確定申告が必要となる人の条件確認

「確定申告」とは、1年間の所得とそれに対する税額を計算し、税務署に申告・納税するための一連の手続きを指します。

会社にお勤めの方の場合、給与所得や退職所得以外の所得、例えばNFT取引で得た利益などが年間で合計20万円を超える場合に確定申告を行う義務が発生します。

ご自身の状況がこれらの条件に該当するかどうかを最初に確認することが、確定申告の第一歩です。

ステップ2: 確定申告期間(毎年2月16日〜3月15日)の確認

確定申告を行う期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までの1ヶ月間と定められています。

この期間内に、前年の1月1日から12月31日までの1年間の所得について計算し、申告と納税の手続きを完了させる必要があります。

申告期限を1日でも過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があるため、注意が必要です。

申告期間を正確に把握し、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが、スムーズな確定申告の鍵となります。

ステップ3: 申告に必要な取引記録や書類の準備

確定申告を円滑に進めるためには、申告に必要な書類や記録を事前にしっかりと準備しておくことが不可欠です。

NFT取引に関する全ての記録(取引日時、売買したNFTの名称、数量、取得価額、売却価額、取引にかかった手数料など)を整理し、加えて、必要経費の支払いを証明する領収書や利用明細、そしてマイナンバーカード(または通知カードと本人確認書類)などを漏れなく収集することが肝心です。

これらの書類を事前に整理し、まとめておくことで、申告書を作成する際の入力作業や確認作業の手間を大幅に減らすことができます。

ステップ4: 国税庁「確定申告書等作成コーナー」を利用した申告書作成

「確定申告書等作成コーナー」とは、国税庁が公式ウェブサイト上で提供している、確定申告書をオンラインで作成できる非常に便利なシステムです。

初めて確定申告を行う方でも、画面に表示される質問や案内に従って必要な情報を入力していくだけで、所得税額などが自動計算され、誤りの少ない申告書を比較的簡単に作成できるように設計されています。

税務署の開庁時間や場所を気にすることなく、ご自身の都合の良い時間に自宅のパソコンやスマートフォンから作業を進められる点も大きな利点です。

この国税庁のシステムを上手に活用することで、手間と時間がかかる確定申告書の作成作業を効率的に進めることが可能です。

ステップ5: e-Tax(電子申告・納税システム)の活用

「e-Tax(イータックス)」とは、所得税の確定申告や納税、各種申請・届出といった国税に関する様々な手続きを、インターネットを通じて電子的に行えるようにしたシステムです。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成した申告書データを、e-Taxを利用することで、税務署の窓口へ出向いたり、郵便で送付したりする手間を省き、自宅やオフィスからオンラインで直接提出手続きを完了させられる点が最大のメリットと言えるでしょう。

また、e-Taxで申告した場合、書面提出に比べて還付金の処理がスピーディーに行われる傾向があります。

事前の準備や設定が多少必要になりますが、一度環境を整えてしまえば、e-Taxを利用することで確定申告の手続きをより簡便かつ迅速に完了させることができます。

ステップ6: 計算した所得金額の申告書への正しい記入箇所

NFT取引によって得られた利益は、個人の場合、その取引の態様にもよりますが、多くは「雑所得」の中の「その他」の区分として申告することになります。

確定申告書には、所得の種類ごとに収入金額や所得金額を記入する欄が設けられており、ご自身で計算したNFT取引による収入金額(売却価格など)と、そこから必要経費(取得費用や手数料など)を差し引いた所得金額を、それぞれ指定された「雑所得・その他」の欄に正確に記入することが極めて重要です。

記入箇所を誤ってしまうと、税額が正しく計算されなかったり、後日税務署から問い合わせが来たりする可能性があるため、申告書作成の際には、手引きや国税庁のウェブサイトなどを参照し、慎重に確認しながら記入作業を進めてください。

ステップ7: 納税方法の選択と期限内の手続き完了

確定申告の手続きを経て算出された所得税額は、原則として確定申告の期限と同じ日(通常は3月15日)までに国に納付する必要があります。

納税方法には、ご自身の預貯金口座から自動的に引き落とされる振替納税、国税クレジットカードお支払サイトを利用したクレジットカード納付、コンビニエンスストアの窓口で納付できるQRコードを利用したコンビニ納付、e-Taxと連携して電子的に納税できるダイレクト納付、そして金融機関や所轄税務署の窓口で納付書を使って現金で納める方法など、複数の選択肢が用意されています。

ご自身の状況や利便性に合わせて最適な方法を選び、必ず納付期限内に手続きを完了させることが肝要です。

どの納税方法を選択するにしても、最も大切なのは納付期限を厳守することです。

期限内に納税を完了させることで、延滞税などの余計な負担を避けることができます。

NFT税務の疑問解消と安全な取引のための重要注意点

NFT取引における税務上の疑問点は多く、特に正確な記録の保持と最新情報の確認が不可欠です。

このセクションでは、NFT取引における損失の取り扱いや海外取引の納税義務、記録保持の重要性、専門家への相談時期、そして申告漏れのリスクといった、多くの方が抱える疑問と、安全な取引を続けるための重要な注意点について詳しく解説していきます。

NFT税務は複雑ですが、ポイントを押さえて適切に対応することで、安心して取引を続けられます。

NFT取引で損失が発生した場合の損益通算の可否

損益通算とは、ある所得の損失を他の所得の利益と相殺することです。

NFT取引で生じた損失が雑所得に分類される場合、残念ながら給与所得や事業所得など、他の所得区分との損益通算は原則としてできません

ただし、同じ雑所得の範囲内であれば、他のNFT取引で得た利益などと相殺することは可能です。

NFT取引の損失は、他の所得との損益通算ができない点を理解しておくことが重要です。

雑所得における損失の翌年以降への繰越不可

損失の繰越とは、その年に控除しきれなかった損失を翌年以降の所得から差し引くことができる制度です。

NFT取引による所得が雑所得に該当する場合、残念ながらその年に生じた損失を翌年以降に繰り越して、将来の利益から控除することはできません

これは事業所得における青色申告のような特例が、雑所得には適用されないためです。

雑所得に分類されるNFT取引の損失は、その年限りで処理され、翌年には持ち越せないと覚えておきましょう。

海外NFTマーケットプレイスでの取引と日本の納税義務

海外NFTマーケットプレイスとは、OpenSeaやRaribleなど、日本国外に拠点を置くNFTの取引プラットフォームを指します。

日本の居住者の方が海外のNFTマーケットプレイスを利用して利益を得た場合でも、日本の税法に基づいて確定申告を行い、納税する義務が生じます

どこで取引したかではなく、どこに住んでいるかが納税の基準となるため注意が必要です。

海外プラットフォームでの取引であっても、日本の居住者であれば日本での納税義務から逃れられないことを認識してください。

暗号資産によるNFT売買時の日本円換算レートの基準

日本円換算レートとは、イーサリアム(ETH)などの暗号資産でNFTを売買した際に、その取引価額を日本円で評価するための交換比率です。

暗号資産を用いてNFTを売買した場合、その取引の損益を計算するためには日本円に換算する必要があります。

原則として、NFTの売買取引が行われた時点(約定した日時)における暗号資産の時価(市場価格)を使用して日本円評価額を算出します。

取引ごとの正確な時価を把握し、記録することが日本円換算の鍵となります。

保有中のNFT(含み益・含み損)への課税の有無

含み益・含み損とは、保有しているNFTの現在の市場価値が取得価額を上回っている状態(含み益)または下回っている状態(含み損)を指します。

原則として、NFTをただ保有しているだけで、まだ売却していない状態の含み益や含み損に対しては、課税されません

税金が発生するのは、NFTを売却したり、他の暗号資産と交換したりして利益が実現(確定)した時点です。

保有しているNFTの価値が上下しても、売却するまでは課税対象とならない点を理解しておくことが大切です。

全てのNFT取引記録の正確な作成と長期間の保管義務

NFT取引記録とは、いつ、どのNFTを、いくらで、誰と取引し、手数料はいくらだったかなど、取引内容を詳細に記したものです。

NFT取引に関する税務申告を正しく行うためには、全ての取引履歴を網羅的かつ正確に記録し、これを長期間保管することが法律で義務付けられています

税法では帳簿書類の保存期間が定められており、個人の場合は原則として5年間、場合によっては7年間の保存が必要です。

後々の税務調査などに備え、詳細な取引記録を整理・保管する習慣を徹底しましょう。

必要経費計上のための領収書や明細書の保存

必要経費とは、NFT取引で利益を得るために直接かかった費用のことです。

NFT取引にかかった費用を必要経費として所得金額から控除するためには、その支出を証明する領収書やクレジットカードの利用明細書、銀行の振込明細などを必ず保存しておく必要があります

これらがなければ、経費として認められない可能性があります。

経費計上を行うためには、支払いごとに証拠となる書類を確実に集め、整理保管することが求められます。

国税庁発表などの最新税務情報の定期的な確認

最新税務情報とは、国税庁のウェブサイトや関連省庁から公表される、NFTや暗号資産に関する税法解釈や通達、FAQなどの情報です。

NFTや暗号資産に関する税務の取り扱いは比較的新しく、法整備や解釈が変更される可能性があります。

そのため、国税庁の公式ウェブサイトや信頼できる情報源を通じて、常に最新の税務情報を定期的に確認することが極めて重要です。

特に確定申告前には、最新の通達などをチェックしましょう。

情報が更新される可能性を常に念頭に置き、自ら最新情報をキャッチアップする姿勢が大切です。

税理士など専門家への相談を検討すべき具体的な状況

税理士などの専門家とは、税務に関する専門知識を持ち、確定申告の代理や税務相談を行う資格を持つ人のことです。

NFTの取引回数が非常に多い、取引内容が複雑で自分で計算する自信がない、年間2000万円を超えるような高額な利益が出た、または事業所得として申告を検討しているなど、個人での対応が困難だと感じた場合は、速やかに税理士に相談することを強く推奨します

専門家の助けを借りることで、誤った申告によるリスクを避け、安心してNFT取引を続けることができます。

申告漏れや意図的な過少申告が招く追徴課税やペナルティのリスク

追徴課税やペナルティとは、確定申告の内容に誤りがあった場合や、申告を怠った場合に、本来納めるべき税金に加えて課される追加の税金や罰金のことです。

確定申告を正しく行わなかった場合、例えば申告期限に遅れたり、所得を意図的に少なく申告したりすると、延滞税、無申告加算税、過少申告加算税といったペナルティが課されるリスクがあります

特に悪質と判断された場合には、さらに重い重加算税が課されることもあり、税務署の調査は厳格です。

納税は国民の義務であり、申告漏れや不正な申告は結果的に大きな不利益を招くため、絶対に避けるべきです。

よくある質問(FAQ)

NFTを保有しているだけで税金はかかりますか? いわゆる「含み益」の状態です。

いいえ、原則としてNFTを保有しているだけ(含み益の状態)では課税されません。

NFTを売却したり、誰かに無償で譲ったりして利益が確定した時点で、その利益に対して税金がかかることになります。

ただし、NFTの評価額が著しく変動する場合もあるため、将来の売却に備えて市場価格を把握しておくことは大切です。

NFT取引で損失が出た場合、給与所得など他の所得と相殺して税金を減らせますか?

NFT取引の利益が「雑所得」に分類される場合、残念ながら損失を他の所得(例えば給与所得)と相殺(損益通算)することはできません。

また、その損失を翌年以降に繰り越すことも不可能です。

もし、ご自身のNFT取引が「事業所得」として認められる規模や態様であれば、他の所得との損益通算や損失の繰越が可能な場合がありますので、専門家にご相談ください。

NFTの税金について税理士に相談したいのですが、どのようなタイミングで、何を準備すれば良いですか?

NFT取引による所得が年間で20万円を超える見込みの場合や、ご自身の取引がどの所得区分に該当するのか判断に迷う場合、あるいは確定申告の手続きが複雑で不安を感じる場合には、税理士へ相談することを検討しましょう。

相談する際には、年間の全取引履歴(購入・売却の日時、数量、金額、取引相手の情報、マーケットプレイスの手数料など)、利用しているウォレットの種類やアドレス、経費として計上したい費用の領収書や明細書などを整理して持参すると、相談がスムーズに進みます。

まとめ

この記事では、NFT取引で得た利益には原則として税金がかかり、確定申告が必要になる点を最も重要なポイントとして、日本の最新課税ルールや具体的な確定申告のステップについて詳しく解説いたしました。

NFTの税金は複雑に感じるかもしれませんが、正しい知識を身につけ、適切に対応することが求められます。

この記事で特にご理解いただきたい大切なポイントは、以下の通りです。

NFTに関する税金のルールをしっかりとご理解いただき、ご自身の取引状況に合わせて適切な対応を心がけてください。

もし判断に迷うことや複雑なケースがありましたら、早めに税理士などの専門家にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

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